よくあるご質問


  ユニセフによる発表をここではご紹介させていただきます。

 

1 –  世界では食糧が不足しているのですか?

現在の世界には、すべての人々が健康で生産的な生活を送るために必要な栄養を摂取できる、十分な食糧があります。

2 – 飢餓とは?

おなかに何も入っていないという空腹状態以外に、飢餓にはさまざまな症状があります。

低栄養は、活動的な生活を送るために身体が最低限必要とするカロリー(エネルギー)を摂取できていない状態を表します。現在、世界では8億7,00万人もが低栄養に苦しんでいます。そのほとんどは開発途上国で暮らしています。

栄養不良は、タンパク質、エネルギー、微量栄養素(ビタミン・ミネラル)の摂取が不足し、ひんぱんに感染症や疾病にかかるのが特徴です。適切な栄養素が欠乏すると、はしかや下痢のような一般的な感染症によって命を奪われることもあります。

栄養不良は、実際に口にする食糧の量ではなく、身体計測値(体重や身長)と年齢を基準にして測定されます。

衰弱は急性栄養不良の症状で、短期間に厳しい経過を経て、大幅な体重減少が起きる状態です。これは通常、飢餓もしくは飢餓と疾病の複合要因によって引き起こされます。 

3 – 飢餓に苦しんでいるのはどのような人ですか?

報道からは、飢餓に苦しんでいる人の多くは緊急事態に巻き込まれた人たちだという印象を受けるかもしれませんが、実際は緊急事態を原因とする飢餓人口は全体の8パーセント以下にすぎません。

飢餓に苦しんでいる人々の数は8億7,000万人にのぼります。これは、米国、日本、EUの人口をすべてあわせたより多いのですが、その窮状はあまり報道で取り上げられることはありません。

飢餓に苦しむ人は様々です。母親から十分な母乳を得られない赤ん坊から、世話をする身寄りのない老人まで、あらゆる年齢の人々が含まれています。都会のスラム街に住む失業者、小作人、エイズで親を亡くした遺児、特別な食餌や通常より多い量の食餌を必要とする病人などを、例としてあげることができます。

とりわけ飢餓にさらされやすいのは、子ども、女性、そして農村部の住人です。

4  – 飢餓に苦しんでいるのはどの地域の人ですか? 

飢餓に苦しむ人口の割合が高いのは、アフリカ東部、中央部、南部です。低栄養の人々の約4分の3は開発途上国の所得の少ない農村地域に住み、中でもリスクのより高い農耕地域で暮らしています。ただし、近年は、都市部で飢餓に苦しむ人々の割合が高まりつつあります。

世界で慢性的に飢餓に苦しんでいる8億7,000万人のうち、半数以上がアジア・太平洋地域に住み、およそ4分の1がサハラ砂漠以南のアフリカに住んでいます。

5  – 飢餓人口は減少していますか? 

1980年代から1990年代前半にかけては慢性的飢餓の減少にかなりの進展がみられましたが、この10年間では飢餓に苦しむ人々がゆっくりではあっても着実に増え続けていると、国際連合食糧農業機関(FAO)は発表しています。1995年から97年までと2004年から2006年までの期間には、南米とカリブ海地域を除くすべての地域で、飢餓に苦しむ人々の数が増加しました。ただしこの地域でさえ、食糧価格の高騰と世界的経済不況の影響を受け飢餓人口が増加し、それまでの削減分は無に帰しました。   

現在、健康で活動的な暮らしを営むための十分な食糧を手に入れられない人は世界の8人に1人に上ります。

6  – 栄養不良はどんな影響を及ぼしますか?

栄養不良は、危険なほど痩せる、年齢相応の身長に全く達しない、ビタミンとミネラルが不足する(貧血の原因となる鉄分の欠乏など)、さらに過度の肥満のように、さまざまな問題を引き起こします。指標には以下のようなものがあります。

衰弱は急性栄養不良の症状で、短期間に厳しい経過を経て、大幅な体重減少が起きる状態です。これは通常、飢餓もしくは飢餓と疾病の複合要因によって引き起こされます。

発育阻害は慢性的な栄養不良の症状で、長期の栄養状態を反映します。栄養状態が良好で健康な子どもと比較して、年齢に対する実際の身長が十分かということから判断されます。

低体重は、栄養状態が良好で健康な子どもと比較して、年齢に対する体重が十分かということから判断されます。開発途上国の1億4,600万人の子どもたちが低体重と推定されています。 

7 – 微量栄養素は大切ですか? 

微量栄養素(ビタミンやミネラル)の欠乏は、健康に重大な影響を及ぼし、世界でおよそ20億人の人々を苦しめています。世界保健機関(WHO)によれば、鉄分、ビタミンA、亜鉛の欠乏は、開発途上国の疾病による10大死因に含まれています。

  • 鉄分欠乏は、世界で最も一般的な栄養不良の症状で、世界で10億人を苦しめています。鉄分欠乏は国の生産性を下げ、知能発達を遅らせます。
  • ビタミンA欠乏は、開発途上国における子どもの失明の主な原因です。ビタミンA欠乏は、はしか、麻疹、マラリアによる死亡のリスクを高めることがあります。
  • ヨウ素欠乏は、世界で7億8,000万人の人々を苦しめています。およそ2,000万人の子どもたちが、母親が妊娠中に十分なヨウ素を摂取しなかったために、知的障害をもって生まれています。
  • 亜鉛欠乏は、幼少期の成長阻害と免疫不全を招きます。亜鉛欠乏が原因で、毎年約80万人の子どもたちが死亡しています。